みまもりジャーナル

2017年4月3日(月)

コミュニケーションロボット市場は大きく伸長

介護用途への課題解決でますますの需要拡大にも期待:矢野経済研究所

株式会社矢野経済研究所(本社:東京都中野区)では、「国内のコミュニケーションロボット市場」の調査を実施、その結果の概要を公表した。

概要によると、2015年度の国内コミュニケーションロボット市場規模は「23億8,500万円」で、前年度比279.9%と驚異的な伸長を見せているうえに、今後市場は順調に推移して、2020年には「87億4,000万円」に達するという予測が示された。(グラフ参照)

ここでいう「コミュニケーションロボット」とは、人の顔の形や言葉、人からのボディタッチ(=接触)などの検知機能があり、外部から得られた情報に応じて自律的に反応できる機能を有していること。さらに実用に供せられるものとされている。また「日本医療研究開発機構(AMED)」による実証調査で、「候補製品」として認証された製品に類する機能を持っているもの、また実用化を目的として特定の効果を立証、または目指しているものが対象となっている。

同社の見解では、2014年の『Pepper』(ソフトバンク)の登場によって、会話や動作複合型コミュニケーションロボットへの関心が高まったことや、2015年頃より相次いで新製品が投入されたことなどが市場を牽引した要因と見られている。

また注目すべき点は、2016年度から「AMED」による介護施設を対象とした大規模実証調査が実施されていることで、「コミュニケーションロボットメーカーにとって介護用途での課題が明らかになることが期待される」というところ。介護用途における有効な使い方や課題・問題点が示されることは、製品改良や新製品投入につながり、その結果、介護施設向けの需要は拡大する見通しであるとされる。

また「東京オリンピック・パラリンピック」に向けての、交通機関や各種施設における観光案内等で会話・動作複合型コミュニケーションロボット導入の機運が高まることで新たな需要も見込まれており、2020年度の国内コミュニケーションロボット市場規模(メーカー出荷金額ベース)が「87億4,000万円」になると予測された。【A.Yagisawa】

本調査の正式資料名:
「2017コミュニケーションロボットの可能性と将来性~実証試験を契機に立ち上がる介護向け市場~」
http://www.yano.co.jp/market_reports/C58123700

◉矢野経済研究所
http://www.yano.co.jp

 
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