みまもりジャーナル

2016年06月30日(木)

国内介護ロボット市場が前年度比549.0%伸長

2015年度:矢野経済研究所が調査結果概要を公開

矢野経済研究所(本社:東京都中野区)では、国内の介護ロボット市場の調査を実施。その調査結果の概要と一部のデータを公開した。

発表された調査結果の概要によると、2015 年度の「国内介護ロボット市場規模(メーカー出荷金額ベース)」では、10 億 7,600 万円に到り、前年度比549.0%という高い伸長を見せた。

介護ロボットの開発や導入促進事業は、2013年度より国家プロジェクトとして推進され、その実用化や製品化を目指して多くの企業が参画。2015年ころから製品化されるものも出始めて、その実用化に一定の成果を出しつつあるという。

特に2015年度までに「介護施設型見守り支援ロボット」をはじめ、「装着型移乗介助ロボット」「屋外型移動支援ロボット」「自動密着式便器型・排泄支援ロボット」などが製品化されて大幅な市場伸長を牽引している。

また注目動向として挙げられたのが、厚生労働省が決定した2015 年度補正予算の「介護ロボット等導入支援特別事業」についてで、「介護従事者の負担軽減に資する 介護ロボット導入促進事業」と「介護ロボット等を活用した見守り支援機器導入促進事業」が実施される。

先進的介護施設が介護ロボットを活用することで、介護業務の負担軽減や効率化の参考例とすることを目的に、20 万円以上の製品を対象に全額を補助、ひとつの施設・事業所につき上限は300万円。

また「見守り支援機器導入」の導入促進については、市町村が個人向けに貸し出す見守り支援機器に対して、ひとつの機器10 万円を上限に補助されるという。

介護ロボットの開発に加えて、普及においても国が支援するという方策が示されたことで、現場における介護ロボットの認知度向上と、さらに効果的な使い方の提案が大きく期待される。また、普及の呼び水にもなると同社は見込む。

矢野経済研究所の今後の市場予測については、2016年度以降も新製品投入と企業の新規参入が継続されて市場は安定成長すると見込まれ、2020 年度の国内の介護ロボット市場規模(メーカー出荷金額ベース)は149 億5,000 万円に達すると推計。「介護施設型見守り支援ロボット」をはじめとする各種介護ロボットの市場は2020年までに構築されるとした。

メーカーとユーザーが協力して「効果が出る使い方」を作り出して定着させていけるかが、普及のポイントのカギを握るとした。 【YG】

 

矢野経済研究所
http://www.yano.co.jp/

 
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